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なぜ経営理念を実現するという精神は腹落ちしないのか?

エグゼクティブコーチング・コーチング

2026.2.3

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毎月、およそ20回から25回程度のエグゼクティブコーチングを行っていますが、クライアントの中には同じ業界で経営を行っている方もいて、お互いが希望される場合には私が仲介して引き合わせる場合もあります。以前、タクシー会社の経営者とタクシードライバー紹介会社の経営者を引き合わせたことがありました。

運賃改定というチャンスと、社長の不安

このタクシー会社には、組織づくりで関わっています。
2025年度の経営黒字化に取り組んでいる中で、運賃改定という機会が巡ってきました。運転手の労働条件改善や燃料費・車両維持費の高騰などが背景となり実施されるものですが、経営にとっては客単価アップのまたとないチャンスであり、これを契機として売上高を上昇トレンドに変えていきたいところです。


一方で社長が懸念していたことは、運賃が上がることによる利用者の乗り控えが起こり、売上は下がるのではないかということでした。
では、その結果はというと?


売上に影響した、ドライバーの行動の変化

運賃改定後、初めの一か月は前年比99.8%でした。


なぜか?
原因をたどってみるといくつかのことがわかってきました。
この期間、ドライバーの労働時間が減ったそうです。ドライバー全体で約300時間。一人1日約5分程度です。このことに気づいているドライバーはいたでしょうか?ドライバーは日々一生懸命運転していたはずですし、自分は毎日頑張っていると思っていたことでしょう。


社長は言っていました。「ドライバーは1日いくら稼ぐという自分の基準を持っていますからね」このドライバーの脳内の基準が、1日わずか5分ずつ、早くあがることを選択させました。そして運賃改定があったにもかかわらず売上は前年を割りました。
そしてもし、「今後は1日〇〇回以上お客様と会う機会をつくろう」という基準を経営側が示していたら、どんな結果になっていたでしょうか。


経営理念が腹落ちしている状態とは

ところで、運賃改定前のミーティングでは、ドライバーのやる気をアップするための方法が話し合われました。そしてそのひとつが経営理念の共有です。


経営理念が腹落ちするとはどのようなプロセスが必要なのでしょうか?


ドライバー一人ひとりが経営理念を理解しているというプロセスから始まるでしょう。
「なるほど、我が社は誰のために、何のために存在するのだな」と経営理念への一人ひとりの理解がいるでしょう。
そしてドライバー一人ひとりが経営理念に共感しているというプロセスが必要でしょう。
「本当にこの経営理念を実現したい!私もその一員でいたい!」という強い想いがいるでしょう。


さらに、ここは大きな壁ですが、ドライバー一人ひとりが経営理念を体現している、行動に表しているというプロセスが必要でしょう。
「私はミッションを生きている」あるいは「私はビジョン実現の一つの場面を体験している」という実感かもしれません。


そしてドライバー一人ひとりが経営理念を生きていることが習慣になっている、当たり前に生きているというプロセスが必要かもしれません。
ドライバー一人ひとりに経営理念が腹落ちしていたら、ドライバー一人ひとりの意識は「自分の稼ぎ」にあったでしょうか。あるいは「自分の稼ぎの意味」は、どう変わっていたでしょうか。


筆者

中野 達也

中野 達也 筆者プロフィール
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