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それでも人は努力をやめない ~オリンピックが教えてくれた、働く理由~

その他(プロジェクト・書評など)

2026.2.13

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人は、なぜそこまでして努力を続けるのだろうか。

冬季オリンピックが開幕した。
日本代表選手の年齢は、16歳から42歳までと幅広いが、その多くは10代、20代の若者たちである。

スポーツ選手の寿命は、驚くほど短い。
4年に一度の舞台に向けて、すべてを捨てるようにして競技に没頭する。

学生であれば青春時代を、
社会人であれば、最も仕事を覚え、可能性を広げられる貴重な時間を、
彼ら彼女らはなぜ、そこに賭けるのだろうか。

金メダルの報奨金は500万円。
銀メダルは200万円。
銅メダルは100万円。

費やしてきた時間とエネルギーを考えれば、
決して大きなリターンとは言えない。
それでも彼らは、勝敗に一喜一憂し、感情を爆発させる。

テレビの画面に映し出されるその姿は、
スポーツだから、なのだろうか。
特別な才能や精神構造を持った、
トップアスリートだけに許された世界なのだろうか。

私たちビジネスマンとは、
まったく別の話なのだろうか。

ビジネスマンは数字を追う。
顧客からの評価。
上司からの評価。

その多くは、自分が生み出した数字によって測られる。
数字を追い続けるうちに、疲弊し、
働き甲斐を失っていく人は少なくない。

あるいは、
働き甲斐そのものを考えなくなってしまった人も、
増えているのかもしれない。

最近の仕事は、とにかく生産性が求められる。
短時間で成果を出すこと。
無駄を省くこと。
効率を上げること。

その結果、
じっくりと時間をかけて、何かと向き合う機会は、
確実に減っているように感じる。

向き合う時間が減れば、
そこから生まれる喜びや手応えも、
感じにくくなる。

仕事は、少しずつ「作業」になる。
楽しさを感じる前に、終わっていく。

「スポーツ選手は、好きなことをやっているからできるんだ」

そんな声も、聞こえてきそうである。

しかし、本当にそうだろうか。
彼らが向き合っているのは、楽しいことばかりではない。

思うようにいかない時間。
報われない努力。
孤独な時間。

むしろ、そちらのほうが圧倒的に多い。

それでも――
人は、努力をやめない。

仕事の中で、人はいつ、楽しさを感じるのだろうか。

最初から楽しい仕事など、そう多くはない。
分からないこと。
うまくいかないこと。
思い通りにならないこと。

それでも逃げずに向き合い、
時間をかけて、情熱を傾けて取り組んだ先で、
仕事は、少しずつ表情を変え始める。

気づいたとき、
それは「楽しい」という感覚に変わっている。

それは、結果が出たからではない。
自分の力が、誰かの役に立ったと実感できたとき、
仕事は静かに、しかし確かに、
楽しさへと姿を変える。

オリンピックの舞台で戦うアスリートたちも、
きっと同じなのだと思う。

華やかな瞬間の裏側には、
報われる保証のない努力がある。
それでも情熱を注ぎ続けるからこそ、
あの舞台に立つ意味が、楽しさへと変わるのだ。

私たちビジネスマンも、
仕事を「競技」として捉えてみるのも、
悪くないのかもしれない。

誰のために、
どんな価値を生み出すのか。

その問いに本気で向き合うとき、
仕事は、単なる作業ではなくなる。

それでも人は、努力をやめない。
その理由は、案外シンプルなのかもしれない。

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