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占星術はものごとを判断する枠組みになりえるか

その他(プロジェクト・書評など)

2026.5.7

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アクエリアン革命に寄せて

かつて「団塊の世代」という言葉を生み出した堺屋太一さんが、私たち松下政経塾の塾生たちに『アクエリアン革命』(マリリン・ファーガソン著)を贈ってくださったことがあります。1984年のその出来事は、私にとって新しい時代の息吹を感じさせるものでした。夢中で読みふけり、世界が大きく変わる予感に胸が高鳴ったのを覚えています。

『アクエリアン革命』は、水瓶座の時代に向けて「心の変革をとげた個人」が目に見えぬ連帯を広げ、やがて社会そのものを変えていくという思想を展開しています。堺屋さんが自ら監修したことにも、深い意味があったのだと思います。

今回のコラムのタイトルは一見すると怪しげに映るかもしれませんが、どうか肩の力を抜いて、思考の柔軟体操のつもりで読み進めていただければと思います。

水瓶座は12の星座のひとつですが、まず占星術を理解するには「12進法」に注目する必要があります。日本には干支や還暦など、12進法が息づいており、私たちの文化とも深く結びついています。


黄道十二宮と四元素

地球は、「24時間で自転する」「太陽の周りを12か月で1周する」、そして「太陽が銀河を約25,000年周期で巡る」という3つのサイクルで動いています。このうち、「銀河周期を12で割った約2,100年」が星座の時代と呼ばれています。

黄道十二宮には独自の映像的シンボルがあり、それぞれが「土・水・空気・火」という四元素に紐づいています。アリストテレスが体系化したこの元素論は、単なる物質の分類を超え、万物の変化や人間の特性を説明する枠組みにまで発展しました。土は肉体・現実性、水は感情・適応性、空気は思考・知性、火は情熱・精神性に関連しているとされています。


三つの星座時代の変遷

今、私たちは約2,100年続いた「魚座の時代」を終え、「水瓶座の時代」の入口に立っています。魚座時代はキリスト教文化の拡大と重なり、水の象徴である感情や儀式、戦争の多発といった時代背景を形づくりました。ちなみに法王が身につけている指輪は「漁師の指輪」と呼ばれています。

さらに2,100年前は「牡羊座の時代」。旧約聖書のアブラハムやイサク、そして「イスラエルの12部族」の起源が語られるこの時代は、火(精神性)の象徴と結びついています。実はイスラエルとは古代エジプトの影響を受けた言葉です。イスラエルはIS、RA、ELという3つの音節でできている単語です。ISはエジプトの最強の母なる女神であるIsis(イシス)から来ています。RAは最高神にして太陽神のRa(ラー)のことです。ハヤブサの頭と人間の身体を持ち、太陽を表す円盤が頭の上に描かれ、ホルス神とも呼ばれます。生命と光の創造主です。そしてELですが、メソポタミア、特にカナンの神話に登場する神々の父、最高神であり、Elohim(エロヒム)として旧約聖書には頻繁に登場します。旧約聖書の「創世記」では父性的な神「エル・シャダイ」として描かれ、のちに「出エジプト記」ではユダヤ教の唯一神であるヤハウェへと繋がる神の呼称です。イスラエルとは愛を表す男性神と命を表す女性神と、そこから創造される子供=光という3つの言葉でできています。これがキリスト教のトリニティ(三位一体)という概念に繋がっていくことは想像に難くありません。

さらに遡れば「牡牛座の時代」になります。エジプト文明で牛が豊穣と力の象徴として崇拝され、物質的な豊かさ(土のエレメント)が重視されていました。古代エジプト人は岩を積み重ねて壮大なピラミッドや神殿を建築しました。神殿の壁や柱にはイシス神やホルス神を含めて多くの神々の像やファラオの像がたくさん彫刻されています。


水瓶座の時代の到来と私たちの生き方

現在始まっている水瓶座の時代は、空気(風)のエレメントに支配され、知性や情報、フラットな組織、そして持続可能な地球環境への意識が高まる時代といわれます。AIやインターネットに象徴される「知識の共有」「情報の拡散」が、社会に新しい変革をもたらしています。上下関係よりもフラットな関係性が重視され、多様な個人のつながりが社会を動かす原動力となっているのです。

『アクエリアン革命』が示した「目に見えない連帯」が、まさに現代社会の健全な進化に不可欠だと感じます。そのためには、どんな情報を発信し、どのように有益な情報を見極めていくかが、大きな鍵となることでしょう。

心理学者のカール・ユングは「占星術は心理学的に極めて重要であり、人間の無意識の構造を理解するための有用な象徴体系である」と評価していました。占星術を単なる迷信や娯楽として片付けるのではなく、時代や社会、人間の本質を読み解く「枠組み」として活用する。そんな視点で現代を見つめ直すことで、新しい時代の可能性が開かれるのではないでしょうか。


筆者

田近 秀敏

田近 秀敏 筆者プロフィール

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