自分で決めたことをなぜ人は裏切るのか?
人はなぜ、自分で決めたことをやめてしまうのだろうか。
あの学生は、何度も同じ場所に戻ってくる。
「やっぱり、やめておこうかなと思っていて…」
目指す資格について相談を受けたのは数ヶ月前のことだった。
決して簡単な試験ではない。だからこそ彼は、挑戦する理由ではなく、やらない理由を探していた。
私はこう伝えた。
合否よりも、そのプロセスに意味がある。
結果がどうであれ、そこから何を学び、どう向き合ったかは必ず自分の中に残る。
しばらくの沈黙のあと、彼は「受けてみます」と言った。
だが、時間が経つとまた揺れる。
そして再び、同じ言葉が返ってくる。
「本当にこの資格、自分に必要なんですかね…」
なぜ彼は、前に進もうとした足を止めてしまうのか。
頑張らなくても、ある程度は生きていける。
立ち向かわなくても、やり過ごすことができる。
違った選択肢にすぐ移っても誰にも咎められない時代に、挑戦する理由を持ち続けることは、簡単ではない。
かつてであれば、無理やりにでも背中を押したかもしれない。
だが、そのやり方はもう通用しない。
では、これからの時代に必要な厳しさとは何か。
自分で目標を決めること。
その目標から目を逸らさないこと。
そして、決めた自分を裏切らないこと。
その覚悟を持てるかどうか。
あの学生は、今日も揺れている。
私はただ、問い続ける。
無理にやらせることが少なくなった時代。
それでも、やりきることでしか見えないものがある。
人はなぜ、自分で決めたことをやめてしまうのか。
その問いを持ちながら、それでも自分を裏切らない生き方を選びたい。