勝利を呼び込むすべてが、“在り方”であることを証明した
ワールドシリーズ第3戦。延長18回の死闘は、フリーマンのサヨナラホームランで幕を閉じた。
その後ドジャーズは2連敗を喫するものの、最終第7戦までもつれ込み、見事2年連続でワールドシリーズ制覇を果たした。
第3戦は延長戦に入り両軍の0行進が続く息詰まる投手戦。
18回を終えてドジャーズは投手を使い果たし、ブルペンに現れたのは山本由伸だった。
勝利に貢献する「覚悟」と「志願」
第2戦で完投勝利を挙げ、6時間かけて移動した後、中1日で再び登板する――先発投手としては“ありえない”起用である。
だが山本投手は、自ら「いける」と志願してブルペン入りを果たした。
この姿を見たフリーマンは、試合後のインタビューでこう語っている。
「山本由伸がブルペンで投球練習を始めたのを見て、彼をマウンドに立たせてはいけないと思った。彼の姿こそがドジャーズの“在り方”なんだ。」
「在り方」がチームをつくり、勝利を呼ぶ
自分にできることはすべてやる。
全選手がその気持ちでワールドシリーズに臨んでいる。
何百億を稼ぐ選手たちが、疲れや怪我を顧みず、自らにできることをすべてやり尽くそうとする――。
その「在り方」こそが、2連覇という偉業を成し遂げた最大の要因ではなかったか。
山本由伸はMVPに選ばれ、「世界一の投手」と称賛されている。
それは、4勝中3勝を挙げたという数字だけでなく、彼の「姿勢」や「在り方」に対して与えられた称号だったのではないだろうか。
そして私は、もう一つの大切なことを感じた。
人との出会いが、成長を加速させる
それは、「人との出会い」である。
山本投手がオリックス入団当時、大人を信頼しきれないようなところがあった――。
そんな話を、オリックスのトレーナーから聞いたことがある。
しかし、信頼できる存在との出会いによって、心も身体も大きく成長していった。
そのトレーナーは今ではドジャーズに招かれ、二人三脚で山本投手を支えている。
私たちは今、自分の仕事にどのように向き合っているだろうか?
「人との出会い」
「信頼」
そして「在り方」――。
今回のワールドシリーズは、スポーツの枠を超えて、私たちに深い感動と学びをもたらしてくれた。
全員が一つの目標に向かい、自分にできることのすべてをやり切る覚悟を持つ。
その先にしか、真の勝利はないのだと。
チーム一丸となったドジャーズの強さは、我々にも問いかけてくる。
ビジネスにおいても、一枚岩のチームを創り、勝利を掴みにいこう。
そこに集う一人ひとりが、自分自身の幸せを実感できるような、そんなチームを目指して――。
