「成果と幸福」を両立する組織は現実に作れるのか
「成果を出す組織」と「人が幸せに働ける組織」。
この二つは、しばしば対立概念として語られてきました。成果を求めれば人は疲弊する。人に優しくすれば成果は鈍る。そんな“どちらかを選ぶしかない”という空気は、いまだ多くの企業に残っているのではないでしょうか。
しかし本当に、両立は不可能なのでしょうか。
「成果」か「幸福」か、に揺れる現場
チームコーチングの現場にいると、興味深い現象によく出会います。
議論が「成果だけ」にフォーカスした時、メンバーは数字に追われ、会議は詰問の場となり、表情から笑顔が消えていきます。やがて、誰もリスクを取らなくなり、チャレンジする発言もなくなってくる。結果として、卓越した成果からは程遠くなる。
一方で、「人に優しくしよう」「働きやすさを大切にしよう」とだけ寄せた組織では、安心感は生まれるものの、目指す方向が弱くなり、チームとしての推進力を失うことがあります。温かいけれど、前に進まない。心地よいけれど、手応えがない。そんな状態が続くことも決して少なくありません。
では、どうすればよいのでしょうか。
「成果」と「幸福」は、同じ根から育つ
私が多くのチームと向き合って感じるのは、「成果」と「幸福」は、別々に用意するものではなく、本来、“同じ根から育つもの”だということです。
メンバー一人ひとりが「この仕事は、自分にとって意味がある」「この仲間とだから頑張りたい」と感じられる時、成果は“義務の産物”ではなく“内発的なエネルギーの結果”として生まれ始めます。
そこでは、数字は「追われるもの」から「意味づけられた目標」に変わります。
会話は評価のための報告から、未来をつくるための対話に変わります。
そして何より、仕事が「消耗の場」から「成長と誇りを得る場」に変わっていくのです。
もちろん、一足飛びにそんな組織ができるわけではありません。
必要なのは、「何のために成果を出すのか」「私たちの仕事は誰の人生に、どんな価値を届けるのか」という問いから逃げないこと。そして、その問いをチーム全体で語れるようにすることです。
ハードワークの先にある、本当の楽しさ
私は高校時代野球部に所属していましたが本当に練習が辛く、野球自体の楽しさを忘れてしまうようなことも多くあったのですが、苦しくめげてしまいそうなとき共に同じ目標を持つ仲間たちの頑張りや励ましで乗り越えられた。その時の心の底からの充実感や達成感が仲間の大切さと本当の意味での競技が「好き」という境地にたどり着かせてくれました。
スポーツから学んだそんな経験が今の私の仕事の取り組みに息づいていると私は感じています。
仕事が楽しいと幸せですよね?
本当の楽しさはハードワークを超えた先にしかわからないような気がしています。最近ではハードワークを避けるような風潮が見受けられます。会社も上司も、困難を乗り越えた先に楽しさが待っていることを信じて人材育成に取り組んでいただきたいと思います。
理念を共有し、仲間が励ましあいしっかり働いたうえで成果を手にしていく。そんな幸せな組織が理想ではないでしょうか。
私たちの役割は、その実現を“理想論”ではなく“現実の風景”とするべく日々チームコーチングに取り組んでいます。
