煙突の先に何が見える?
もう50年以上前の話になるのですが小学校に上がる前の話です。
冬に祖父の家でお風呂に入ると鉄製の練炭が入った短い煙突がついた入れ物が浴槽に入っていました。
今、考えるとお湯が冷めないようにする道具だったと理解できるのですが当時の私は興味津々でお風呂に入るととても気になっていました。
祖父からは「この煙突は覗いてはいけない」ときつく言われており、当時一人で入ることのなかった私は触らぬように覗かぬようにお風呂に入っていました。
ある時、先に入っておけと言われた時がありこのチャンスを逃すまいと張り切って煙突を覗きました。
結果は・・・気分が悪くなりお風呂から運び出されることになりました。。。
禁止されるほどやりたくなる ― 心理的リアクタンス
心理学では「心理的リアクタンス」(人は「自由を制限された」と感じると、その自由を取り戻したくなり、禁止されるほど逆にやりたくなるという心理現象)というようなのですがまさに幼稚園児の私に好奇心を沸き立たせてくれる祖父の言葉であったわけです。
もし祖父が「覗いたらガスを吸い込むことにより命が危ない、しかも覗いても練炭が入っているだけで何も見えない」と教えてくれていれば私もチャレンジする気力は湧いてこなかったかもしれません。
リーダーの声かけが生むエネルギー
リーダーの皆さんは、メンバーにどんな声をかけているでしょうか。
心理的リアクタンスは“厄介なもの”であるだけでなく、方向づけ次第で行動のエネルギーになり得るものでもあります。大切なのは、「禁止するか/任せるか」という二択ではなく、“意味のある挑戦”に、この心理のエネルギーをつなげられるかどうかです。
ビジネスの現場では、例えば次のような関わり方が有効です。
・「やれ」ではなく、「なぜ取り組むのか」を共に語る
・「やるな」ではなく、「どうすれば安全に挑戦できるか」を設計する
・“管理”よりも、“挑戦したくなる環境づくり”に力を注ぐ
のぞいてみたくなる挑戦をつくる
煙突の向こうに、ただの作業ではなく、「成長の実感」や「仲間と前に進む喜び」が見えているかどうか。メンバー全員が行列をつくって「のぞいてみたい」「挑戦したい」とワクワクしている組織は、成果とエンゲージメントが同時に育っていくように感じています。
日本チームコーチング協会では、ただ「煙突を置く」のではなく、その先にどんな景色を描くかを一緒に考え、伴走しながら実装していくことを大切にしています。もし組織の中に“思わずのぞいてみたくなる挑戦”をつくっていきたいと感じておられるなら、ぜひ一度お話しできたらうれしいです。
