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リーダーが選ぶ言葉

一枚岩会議(チームコーチング)

2026.1.6

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令和7年の「今年の漢字」は「熊」に決まったと清水寺で発表されましたが、個人的には「今年の漢字」候補の6位に入った「変」が良いと思いました。トランプ大統領の関税。世界各地での紛争。グローバルサウスの台頭。日経平均5万円突破。ガラスの天井を突破した自維連立の高市内閣の発足などを象徴する一文字として「変」が相応しいと思いました。
「あなたにとって今年の漢字は?」を話題にする人々がお互いに興味を持つのは、選んだ漢字に人生観や信念、あるいは世相が現れるからでしょうか。

「大平総理の教養」

日本の第68・69代内閣総理大臣を務めた大平正芳氏は1980年(昭和55年)6月に急逝されました。その年の春のことでした。自由民主党の宏池会に属していたある参議院議員が、「大平総理大臣から揮毫をいただいてきたよ」と満面の笑顔で色紙を披露してくれました。


色紙には「良賈深蔵若虚 内閣総理大臣 大平正芳」と落款。


「先生、大平総理は達筆ですね」と申し上げると、「そうなんだよ。世の中では『あーうー大臣』などと言われているけど、実際は大変な教養の持ち主なんだ」と仰る。


「この文章も教養の高さを現わしていますよね」と感想を言うと、「君、分かるのか。なんと書いてあるんだ?」と聞かれたのでお答えしました。


「良賈(りょうこ)は深く蔵して虚(むな)しきがごとし。確か『史記』だと思います。老子がまだ若かった孔子に伝えた言葉だと言われています。本当に賢い商人は良い品を持っていても店頭に並べるようなことはしない。奥深く隠しておくものだという意味です」


「商人のこと?僕は一度も商売なんかしたことがない。なんで僕にこんな揮毫を書くのかね、大平総理は変な人だね」と議員は不満そうな表情になりました。


「いや先生、実は後半がありまして、『君子は盛徳(せいとく)ありて、容貌愚なるがごとし』と続きます。真に徳と力がある人間はその能力や知識をひけらかすことなく、一見愚か者かと思うような風貌をしているものだと才気煥発の孔子に警告を与えた文章ですね。もしかすると大平総理は先生にも同じことを伝えたかったのではないでしょうか」


私は若気の至りで余分なことを口にしました。その議員は一気に不機嫌になり、ご自分の執務室に入ってしまいました。あえて後半の文章を隠して揮毫するところに大平さんの深い教養を感じました。そこに注意が向き、私は目の前の人物を気遣うことを忘れてしまいました。当時は気まずい思いをしましたが、今となっては笑い話です。


「崇高雄渾(すうこうゆうこん)」

令和7年12月17日に閉会した第219回臨時国会。その記者会見において、高市早苗首相は次のように述べられました。


「私は、若い頃、松下政経塾において、現在のパナソニックの創業者である松下幸之助塾主の薫陶を受ける機会に恵まれました。政経塾の「五誓」の1つに、『素志貫徹の事』というものがあります。すなわち、「常に志を抱きつつ、懸命に為すべきを為すならば、いかなる困難に出会うとも道は必ず開けてくる。成功の要諦は成功するまで続けるところにある」という意味でございます。高市内閣は、まだ始動したばかりです。必ずや、日本列島を強く豊かに、そして、日本を再び世界の高みに押し上げてまいります。その志を遂げるまで、『決断と前進の内閣』として、決して諦めずに、国家国民のために、全力を尽くしてまいります。」


私も「五誓」を5年間にわたり、唱和してきた人間であり、後輩である高市早苗さんの発言を聞いて心が大きく動きました。高市内閣に対する様々な妨害や批判が続くでしょうが、ぜひ「働いて働いて働いて働いて」変化を創り出してほしいものです。


その高市さんの揮毫は「崇高雄渾」という四文字の造語。「崇高」とは、気高く尊いこと。「雄渾」とは、雄大で力強いさま。「雄渾」は安部元総理が好んで使った言葉ですね。高市首相が語る「強く、豊かな日本」を創るという政治姿勢や国家観を現わしている言葉だと思います。私は高市内閣の崇高にして雄渾な働きに大きな期待をしています。


「窮すれば変ず」

「窮すれば即ち変ず、変ずれば即ち通ず、通ずれば即ち久し」。これは「易経」に書かれていますが、これは人間社会の真理を現わした言葉です。


「世の中は絶えず変化していく。そうして事態がどん詰まりの状態まで進むと変化が生まれる。そこからまた新しい道が開けていく。不変なるものは決して永遠には通じない。変化すれば永遠となる」という教えです。


私たちが提供するチームコーチング「一枚岩会議Ⓡ」でも、その企業のリーダーたちが気づいていなかった行き詰まりの要因が露わになるときがあります。そのときに、チームとして何をどうするのかという選択が重要です。決して対処療法を選んではいけません。


国家経営も企業経営も私たちの人生も、行き詰まり状態で何を選択するのかで、その後の展開が大きく変わります。次への展開のために、力を蓄え、適切な行動を選び、日々愚直に整える。そういうリーダーでいたいものです。


筆者

田近 秀敏

田近 秀敏 筆者プロフィール

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